M君からのメッセージは続きます。
(前提となる一つ前の記事 → Day 1 前半)
M君からの返信: Day 1の後半 (2022/03/03)
藤井さんは、実戦でも何度もソフト越えをしています。
通常は、ソフトの判断が正しく、悪手を指すことで自身の評価値が下がり(=相手の評価値が上がる)ますが、好手を指しても評価値が上がることはありません。
それはソフトの評価値はお互いに次に最善手を指した場合の点数であり、最善手以外の手を指すと評価値が下がるのです。
しかし藤井さんの場合、藤井さんが指したことで、評価値が上がることがあります。顕著だったのは、藤井さんが驚きの飛車切りをした時です。
この「驚きの飛車切り」の解説を見てみたくて、「藤井聡太 飛車捨て ソフト超え」というキーワードでググってみたのですが、検索結果が出るわ出るわ…どの試合のことを指しているのか、私には特定できませんでした。
それまで藤井さんが不利とソフトは判断しており、藤井さんが飛車を切った手(無謀に見えます)もソフトは当初悪手と判断しています。
しかし、ソフトが考慮時間が延びるにつれ、実は飛車切りは絶妙手だったと判断し直し、藤井さん有利とソフトが意見を変えるのです。
そうなると、それまでの藤井さん不利の判断も間違っていたと言えます。
ソフトの評価値はたいてい正しいのですが、藤井さんが不利と表示されていても、ソフトが間違っている可能性があります。
ここで、藤井聡太くんがどれくらい「ソフト超え」の実績を残しているのか?を知りたくなりました。
そこで参考にさせてもらったのが、下記ブログ記事と、そこからリンクが貼られていたYouTube動画でした。
- ブログ記事: 藤井聡太を忖度なしで応援するブログ - 藤井聡太「AI超え」一覧
- YouTube動画: [藤井聡太 AI超え]って何? 珠玉の7事例 2017~2020[流行語大賞]
特に動画の方では、「AI超え」(ソフト超え)とは何を指すのか?について、最初の4分程度でコンパクトに、かつ分かりやすくまとめられています。
- 「AI超え」という言葉は、2020年の新語・流行語対象にノミネートされていた。
- (余談ですが、私は普段TVを見ていないので、そのことを全く知りませんでした)
- 「AI超え」というのは、
「人間の直感 >> AIの直感」
だったケース- AIと言えども計算に使える時間や能力には限りがあるので、終局までのすべての変化(分岐)を「読み切る」ことはできない。
- 人間は、数十〜数百の候補手の中から有効なものを直感によって数個に絞り込み、絞り込んだ候補について「読み」を行って検証する。
- AIも、独自の手法で候補手の取捨選択は行っていて、多くの手についての「読み」は後回しにされる。この取捨選択が人間の直感に似ていることから、ここでは「AIの直感」と表現している。
- AIが「無駄な候補手」と後回しにしたもの中に人間がイチ推しした手があり、その人間の判断を後でAIが「正しかった」と認めたケースが「AI超え」。
そして、この動画の残りは「印象的なAI超え7選」が紹介されていました。M君が言うように、本当に何度もAI超え(ソフト超え)を見せているようです。
最後に、M君はメッセージを次のように締めくくりました。
今年の王将戦第一局、渡辺王将対藤井四冠だったのですが、中盤の最初の方で銀を引いた手が普通に見えて、それが敗因だったとか。 渡辺名人も感想戦で唸ってました。(続く)
続くんかい!と思わずツッコみましたが、この力作メッセージをさらに続けてくれるのは、もちろん嬉しい悲鳴です。
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