「数字で世界を操る巨人たち」を2018年になって読んでみた

  • タイトル: 数字で世界を操る巨人たち
  • 著者: スティーヴン・ベイカー
  • 発行: 2010年@日本

大量のデータを元にマーケティングや意志決定を行うことが当たり前のように行われている今となっては、「8年前はこういう状況で、こういう可能性が見えていたのか」と参考になる。

そして、当時とは比べものにならない規模のデータ量や計算量が扱われているのに対して、その計算結果の精度はそれほど上がっていないようにも思う。少なくとも、「計算結果の質的な向上」を実感できるまでには至っていない。ネット広告は相変わらず気が利かないままだし、選挙予想においても、トランプが大統領になることは予測できていなかった。アルゴリズムによる出会い系サービスも、それほど劇的な効果を生んでいるという話は聞かない。

ただ、そういう「10年前の予想と現在の状況の対比」を考察する上では、とても意義深い一冊だったと思う。今見えている可能性が、10年後に本当に使いも似になるレベルまで達しているかどうかは、これほどまでに予測が難しいのだ、と教えてくれる。

Comments