こちらの続きです。→ 聖アウグスティヌス修道院跡
3日目の午後、カンタベリー大聖堂を見学して、ロンドンに戻るまで。
カンタベリーの街
大聖堂が近付くにつれ、近くの建物に邪魔されて大聖堂の高い塔を目印にすることができなくなった。正しい道を歩いているのかどうか不安になってくる。
でも、何となく人の多い方を目指して歩いてみた。
どうやらこれが大聖堂の敷地への入り口らしい。
やっと大聖堂に到着
10ポンド弱の入場料(もしかしたら不要だったかも…)を払って敷地内へ足を踏み入れると…
ありました、大聖堂。
すぐに中に入ってしまうのがもったいなく思えて、色々な角度から建物を撮ってみる。
足場が組んである。どんどん傷んでいく建物を修復しているんだろう。
大聖堂の中へ
大聖堂の中に入った途端、その荘厳さに息をのむ。
中に入ってみて初めて、昔ケン・フォレットの「大聖堂」という小説を読んだことを思い出す。
あれも確か、イギリスの大聖堂建造をめぐる物語だったはず。
彼らが作っていたのはこれだったのか!と埋もれていた記憶が叩き起こされるほどのインパクトがあった。
14世紀の技術で、加工の難しい石を使ってこれだけの建造物を作り上げるというのは、どれほどの大事業だったのだろう、と気が遠くなる思いがした。
荘厳さを演出するために、どの位置にどれくらいの大きさの窓を作ればいいのか、計算し尽くしているんだろう。
そのノウハウを蓄積するには、どれだけの時間とエネルギーがかけられたことか。
大聖堂の奥へ
要所要所に、色鮮やかなステンドグラスが埋め込まれている。
中世の人たちがこれを見たら、そりゃ畏敬の念を抱かざるを得ないよね。
これは12世紀の大司教トーマス・ベケットの暗殺に使われた剣、ということなんだろう。
[
石に刻まれた細工が一つ一つ細かいんですけど…。( ˘ω˘)
入り口から見えない最深部
入り口から何度もアップダウンを繰り返しているので、奥まったところにこのようなホールがあることは全然伺い知ることができなかった。
聖歌隊のためのスペースがかなり広い。
重要な儀式の雰囲気を作るには、これだけの規模の聖歌隊が必要だったんだろう。
金の鷲の向こう側に、いよいよ最奥部が見えてきた。
ここまで来ると、もう「これでもか!」とばかりの数のステンドグラスが圧倒してくる。
一つ一つの絵にそれぞれエピソードが込められているらしいんだけど…いやはや。
石細工の細かさも極まれり、てな感じ。
跪いて祈る床…なのかな?
そしてその周りをぐるりとステンドグラスが取り囲む。
最奥部から後ろ(大聖堂入り口の方向)を振り返ってみた。
大聖堂入り口に向かって戻る
黒太子が身に付けていた鎧だそうな。グインサーガのスカールのモデルになった人だろうか。
スカールもそうだったけど、ブラックプリンス(黒太子)というのは国民に人気があるらしい。
あちこちドアを開けて回っていると、思わぬタイミングで中庭に出てしまった。
回廊の暗さと、中庭の明るさとのコントラストがいい。
毎日をこういうところで過ごすというのは、素敵なことかもしれない。
大聖堂の外に出る
名残り惜しいけど、ロンドンに戻る電車の時刻も気になってきたので、大聖堂の外に出た。
大聖堂と他の宅地の間にはっきりとした境界は無く、ぼろぼろに崩れた石壁の向こう側には、普通に人が暮らしている民家が。
周りの町と大聖堂が馴染んでいるんだなぁ、という気がした。
駅に帰る途中に劇場があって、その建物の前に、ちょっとギョッとするようなオブジェが。(^^;)
ほんと、道は舗装されているけど、それでもおとぎ話の世界を思わせるよう街並み。
ロンドンへの帰路
カンタベリー・ウエスト駅まで戻ってきたんだけど、ロンドン行きの高速鉄道は、1時間に1本。
しばらく駅のホームで待つことになり、その間暇だったので、色々なものに目をやっていたんだけど…
あれ!レールの横に、電車が電力の供給を受けるためのレールが敷かれてんじゃん!と驚く。
これを使わないから、日立の高速鉄道は大雪の日でも定刻運行ができた、という話を聞いていたのに…。
どうも、パンダグラフ式の電源供給はロンドン-アシュフォード間だけで、アシュフォードから先はまだパンダグラフ化されてないみたい。だから、高速鉄道は両方の電源供給に対応しているんだろう。知らなかった!
帰りの電車でも、車窓の風景をパチリ、パチリと。
「風景の奥にに山が映らないなぁ」という印象を受ける。日本だと、必ず奥に山が入っちゃうと思うんだけど。平坦なんだなぁ、イングランド。
そしてこの電車を降りる直前に気がついたんだけど、実は座席の下にコンセントがあって、電源が使えたっていう…。
ちびりちびりとモバイルバッテリーから充電しつつ、電池が切れないように注意していたあの気配りは何だったのか…。(;´д⊂)
セント・パンクラス駅での夕食
ロンドンのセント・パンクラス駅に着いたところで、あっさりしたものが食べたくなり、駅の中の回転寿司レストランに駆け込む。
乾燥を避けるために、透明なプラスチックふたが被さったお皿が回っている。
カリフォルニア巻きっぽいのを最初に選んでみたんだけど…
うん、意外と普通に美味しい。「とても美味しい」わけじゃないけど、普通に美味しい。
握り寿司も取ってみたけど、これもやっぱり普通に食べられる。やるな!
ただし、値段はえらく高い。一皿600円ぐらい。
そして、地下鉄を使って無事にホテルまで帰り着いた。
小旅行も、何とか終えることができたよ。ホッとした。
旅行中、世話になった品々
ちなみに、これがロンドン版Suicaであるところの「オイスターカード」。
日本でいつもSuicaを入れている場所に、代わりにオイスターカードを入れて出かけていたので、あまり考えること無くいつもの仕草で改札をことができた。旅行中、ものすごくお世話になったよ。
そして、ホテルに帰った僕を癒やしてくれたのが、このスピーカーから流れるいつもの音楽と落語。
おかげで、アウェイ感がずいぶん軽くなったように思う。ロンドンに持ってきて、本当に良かった。
さて、明日はどうしよう?
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